審美歯科の基礎知識

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審美材料

審美歯科治療に用いる材料

 審美歯科 治療に用いられる様々な材料について、まとめてみました。
ここに示しているのは、各々の材料が持つ代表的な性質・値であり、商品によってその値は異なります。  しかし、その 審美 材料の持つ基本的な性質は同じです。

コンポジットレジン

 基材となるマトリックス(例えば、Bis-GMA)に、添加剤となるフィラーを配合してあります。

添加するフィラーの種類により、大きく4つに分類されます。

 SFR型コンポジット          有機質複合材からなるサブミクロン球状フィラーを配合
 ハイブリッド・コンポジットレジン  無機質のガラスからなるマイクロフィラーを配合
 ハイブリッド型コンポジット     有機質複合材からなるナノフィラー&無機質のガラスフィラーを配合
 セミハイブリッド型コンポジット   細かい無機質のガラスフィラーを高密度に配合

 奥歯の咬合面の治療には、耐摩耗性の高いセミハイブリッド型コンポジットを用います。

機械的性質の比較
コンポジットレジン エナメル質 アマルガム(歯科用金属の一種)
ヌープ硬さ 50〜104 345 (象牙質は68) 65〜80
引っ張り強さ(Kgf/平方cm) 530〜720 700 (象牙質は420) 400〜650
曲げ強さ(Kgf/平方cm) 1000〜1900 800 900〜1200
弾性率(×104Kgf/平方cm) 16〜22 48 36〜44
圧縮強さ(Kgf/平方cm) 2800〜4400 2800 3000〜5000
比重(g/平方cm) 2 2.8 11

 上記のように、コンポジットレジンは非常に優れた機械的性質を持っているのです。
また、非常に操作性が高く、安価であることも特徴です。

ハイブリッド・セラミックス

 基材となるマトリックスにモノマーとマイクロフィラーの複合体を用いて、無機質のガラスフィラーを90wt%以上配合した物です。
この複合マトリックスにより、従来のコンポジットレジンよりも機械的強度を上げています。

機械的性質の比較
コンポジットレジン エナメル質 ハイブリッドセラミックス
ヌープ硬さ 50〜104 345 (象牙質は68) 180
引っ張り強さ(Kgf/平方cm) 530〜720 700 (象牙質は420) 756
曲げ強さ(Kgf/平方cm) 1000〜1900 800 1648
弾性率(×104Kgf/平方cm) 16〜22 48
圧縮強さ(Kgf/平方cm) 2800〜4400 2800 5400
比重(g/平方cm) 2 2.8 2.5

 操作性が簡単で、比較的に耐久性があるため、便利な材料です。

セラミックス

 K2O+X-Al2O3-SiO2の複合体で、主に、長石系とアルミナス系の二つに分かれます。

 長石系      50〜70%がSiO2(シリカ)で、10〜17%がAl2O3、7〜10%がK2O、残りが微量添加物
 アルミナス系   26〜34%がSiO2(シリカ)で、56〜62%がAl2O3、4〜18%がK2O、残りが微量添加物

これらの陶材を歯の形に盛り上げて、1000度以上の高温で何度か焼き上げて作ります。

機械的性質の比較
ハイブリッドセラミックス エナメル質 セラミックス
ヌープ硬さ 180 345 (象牙質は68) 390
引っ張り強さ(Kgf/平方cm) 756 700 (象牙質は420) 370
曲げ強さ(Kgf/平方cm) 1648 800 1180
弾性率(×104Kgf/平方cm) 48
圧縮強さ(Kgf/平方cm) 5400 2800 4500
比重(g/平方cm) 2.5 2.8 2.8

 機械的な強度は十分にあるのですが、衝撃に弱いという弱点があります。 (その分、歯牙の削除量が増えます。)
また、化学的にも非常に安定した材料で、審美的な安定性を持っています。
しかし、操作性が難しく、費用的に効果であるという弱点があります。

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